木象嵌(もくぞうがん)

10回象嵌ひみつ箱 | (C)箱根 寄木細工・木象嵌 浜松屋

 

木象嵌とは、下絵に沿ってくり抜いた木材に、同じ大きさや形に象った他の木材を嵌めこむ事で、図案や色彩を表現する日本の伝統工芸です。植生に富み様々な木材が利用できる箱根地方が日本を代表する産地であり、近年では輸入木材も採り入れることでさらに豊かな表現が可能になり、特に海外でも高い評価を受けるようになっています。

 

現在では、木材を象るために使用される、細くて強い糸のこぎりの開発が進んだことによって、ミリ単位以下での繊細な加工ができるようになっています。

 

木象嵌は日本の豊かな自然と、先代から受け継がれ、磨かれて続けてきたものづくりの技があったからこそ産み出されたものなのです。木象嵌は日本の誇れる、日本ならではの工芸技術といえるのです。

 

木象嵌に使用されるデザインとしては、やはり箱根らしく富士山を描いたものが多く見られます。その他には梅などの花や浮世絵などを題材としたものが多いようです。歌麿や広重など先人が遺した大いなる遺産が、美しい木目やグラデーションによってダイナミックに甦っているのです。

 

そして、現代を象徴するデザインが、ハローキティーなどのキャラクターを題材としたものです。人は木を見たり木のぬくもりを感じたりすることで、心も身体も癒されるものです。その木を使って描かれた芸術的な絵画やかわいいイラストであれば、その癒し効果はさらに増すものであると思われます。

 

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